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イタリア、暴力的デモ取り締まりの法令を承認 ミラノに兵士500人増派
ミラノで週末に略奪や衝突が起きたことを受け、ジョルジャ・メローニ政権は、暴力的なデモへの参加を罰する新たな罪、10代への規制強化、親への罰金を盛り込んだ法令を承認しました。兵士に警察権限を与える案は見送られました。
要点
- イタリアの閣僚評議会(閣議)は2026年10月20日、公共の安全と少年犯罪に関する緊急法令(デクレト・レッジェ)を承認しました。ミラノ中心部で週末に略奪や警察との衝突が起きたことを受けた措置です。
- この法令は、公共のデモへの暴力的な参加という新たな罪を設け、2年以上5年以下の拘禁刑を科すほか、損壊に関与した未成年者の親に当局が罰金を科すことを可能にします。
- 14歳から18歳の未成年者は、反証がない限り刑事責任能力があると推定されるようになり、逮捕や予防的拘束の権限の一部が未成年者にも拡大されます。
- 「ストラーデ・シクーレ」(安全な街路)計画の下、2026年12月31日まで兵士500人がミラノに増派されます。ただし、兵士に警察権限を与える草案の条項は削除されました。大統領府の異論を受けたものと報じられています。
- 野党指導者は暴力を非難する一方、法令は政府の失敗の表れだと批判しました。子どもの権利団体や受刑者の権利団体は、刑事責任年齢の変更が7月に初めて提案された時点で、すでに批判していました。
ミラノで何が起きたか
10月17日と18日の週末、生活費の高騰に抗議するデモがイタリア北部の複数の都市で暴徒化し、最も深刻な事態はミラノ中心部で起きました。アルジャジーラとユーロニュースによると、主に若者からなる集団がミラノで店舗のショーウインドーを割り、商店を略奪し、警察と衝突しました。トリノとボローニャでも騒乱が報告されています。アルジャジーラによれば、デモ参加者は燃料・エネルギー価格や家賃の高さ、低賃金、公共サービスの質の低さを訴えていました。
騒乱の規模を示す数字は情報源によって異なります。ユーロニュースによると、ジョルジャ・メローニ首相は200人近い警察官が負傷し、330人が拘束されたと述べました。フランス24が配信したAP通信は、2日間で100人以上の警察官が負傷し、約50人が逮捕され、そのうち30人以上が未成年者だったと報じました。イル・ソーレ・24オーレは、200人以上の若者が拘束され、その約80%が18歳未満だったと伝えています。アドンクロノスとインフォディフェーザによると、小売業者団体コンフコメルチョはミラノの被害額を約100万ユーロと見積もりました。
イル・ソーレ・24オーレによると、メローニ首相は10月19日、首相府のキージ宮で副首相、内相、国防相と治安に関する首脳会議を開きました。閣議は翌20日の夜に法令を承認し、ANSA通信が現地時間18時53分にこれを報じました。
法令の内容
政府はまだ最終的な条文を官報(ガッゼッタ・ウッフィチャーレ)に掲載していません。そのため、以下の詳細は政府の記者会見と、イタリア国内外の複数のメディアが報じた草案に基づいています。一部の内容は、議会審議の前または審議中に変わる可能性があります。
| 措置 | 内容(報道に基づく) | 出典 |
|---|---|---|
| 新設罪:デモへの暴力的な参加 | 危害を加え得る物を使用するおおむね5人以上の組織的集団に加わった者に、2年以上5年以下の拘禁刑と1万~2万ユーロの罰金。顔を隠していた場合や、エネルギー・公共サービスのインフラを標的にした場合は、刑が3分の1から2分の1加重される | アドンクロノス、イル・ポスト、アルジャジーラ |
| 組織者とオンラインでの扇動者 | ソーシャルメディアを通じたものを含め、こうした集団を組織・扇動した者に4年以上12年以下の拘禁刑 | アドンクロノス、ユーロニュース(カルロ・ノルディオ法相の発言を引用) |
| 14~18歳の未成年者 | 反証がない限り刑事責任能力があると推定(従来は裁判官が個別に判断)。現行犯の事後逮捕(猶予付き逮捕)を未成年者にも拡大 | イル・ポスト、ユーロニュース、フランス24/AP |
| 予防的拘束 | 最長12時間。人が密集する場所での警備活動と未成年者にも拡大し、既存の保護措置は維持 | インフォディフェーザ、イル・ポスト |
| 未成年者の親 | 500~1,000ユーロの行政罰金。再犯の場合は1,000~2,000ユーロに引き上げ。ただし、親が行為を防げなかったことを示した場合は除く | アドンクロノス、インフォディフェーザ |
| 損害賠償 | 県知事(政府代表)が公共物の損壊に対する迅速な賠償を命じることが可能に | インフォディフェーザ、アルジャジーラ |
| 警察官への暴行 | 警察官への軽傷であっても、告訴がなくても自動的に訴追 | ユーロニュース、アドンクロノス |
| 集合禁止 | 県警察本部長(クエストーレ)は、14歳以上の者を含め、公共の場所での集合を最長1年間禁止できる | インフォディフェーザ、アドンクロノス |
| 兵士 | ストラーデ・シクーレ計画の下、2026年12月31日までミラノに兵士500人を増派し、470万ユーロを充当。逮捕権や捜査権はなし | インフォディフェーザ、イル・ポスト、フランス24/AP |
イル・ポストとフランス24によると、緊急法令であるため措置は直ちに発効しますが、議会が60日以内に法律へ転換しなければ失効します。議会はその過程で内容を修正することもできます。
デモ警備はどう変わるか
実務上の主な変化は、大規模なデモの最中と事後に警察がとれる対応にあります。イル・ポストによると、新設罪は個別の損壊行為だけでなく暴力的な集団への参加そのものを対象とし、拡大された事後逮捕の規定により、48時間以内に明確な証拠が集まれば、警察は事後に容疑者を逮捕できます。人が密集する場所での予防的拘束と1年間の集合禁止により、警察はイベント前にとれる手段も増えます。14歳以上という基準により、イル・ソーレ・24オーレとAP通信によればミラノで拘束された人の大きな割合を占めた10代の若者も、こうした権限の大半の対象になります。
兵士が警察として活動することはありません。イル・ポストによると、500人の兵士は、ストラーデ・シクーレ計画の下ですでにイタリア全土に展開している約6,000人に加わります。アルジャジーラによれば、国防省は兵士が重要拠点の警備を強化し、重要施設の監視を強めると説明しました。インフォディフェーザによると、マッテオ・ピアンテドージ内相は、10月21日にミラノで開かれる県治安委員会で、より機動的なパトロールや軍の「革新的な」役割の可能性を検討すると述べました。
削除された条項
以前の草案では、500人の兵士を逮捕権を持つ司法警察職員とする予定でした。この条項は削除されました。イタリアのメディアは議会筋の話として、懸念を示していたセルジョ・マッタレッラ大統領の事務局との長い協議を経て変更されたと報じました。イル・ファット・クオティディアーノは、逮捕には専門の訓練を受けた要員が必要だとして内務省も反対していたと報じ、インフォディフェーザは警察労組からの批判を伝えました。大統領府はこの問題について公式な声明を出していません。
政府の主張
メローニ首相は、法令を合法的な抗議の擁護と位置づけました。アルジャジーラとユーロニュースが引用したところでは、首相は閣議後に公開した動画で「破壊や窃盗は抗議ではなく犯罪であり、国家の対応は断固たるものでなければなりません」と述べました。アドンクロノスによると、首相はデモをする権利はあっても都市を荒らす権利はないとも語りました。フランス24によれば、首相は暴徒の中に多くの若者がいたことを「痛ましく、恐ろしい」と表現しました。
連立与党もより厳しい対応を支持しました。イル・ソーレ・24オーレによると、マッテオ・サルヴィーニ副首相はソーシャルメディアで兵士の派遣を「同盟の勝利」と歓迎しました。一方、フォルツァ・イタリアは、刑事責任年齢を13歳に引き下げる別の法案を推進しています。
野党と批判者
野党指導者は暴力を非難しつつも、政府を批判しました。イル・ファット・クオティディアーノによると、五つ星運動のジュゼッペ・コンテ党首はミラノでの被害は容認できないとしながらも、治安の責任は「他者に転嫁することのできないこの政府」にあると述べました。
イル・ファット・クオティディアーノによると、緑の党・左派同盟(AVS)のアンジェロ・ボネッリ氏は、最終条文から警察権限の条項が削除される前の発言で、兵士の派遣は治安をめぐる政府の「完全な失敗」の証明だとし、問題は「都市を軍事化しても解決しない」と述べました。同じAVSのニコラ・フラトイアンニ氏は、誰もが暴力を非難しているとしたうえで、政府の手段は「いつも同じで効果がない」と主張し、政府は刑罰を重くし新たな罪を作ってきたが成果は出ていないと付け加えました。同紙は、民主党のエリー・シュライン党首による法令についての詳しい声明は報じていません。
子どもの権利団体や受刑者の権利団体は、2026年7月に閣議が刑事責任年齢の変更を法案として初めて承認した時点で、すでに反対していました。ユニセフ・イタリアは「深い懸念」を表明し、国連子どもの権利条約に沿って、未成年者の成熟度は個別に判断すべきだと述べました。ジョルナーレ・ラジオ・ソチャーレによると、受刑者の権利団体アンティゴネは、少年犯罪の非常事態は存在しないと述べました。Bullquillは執筆時点で、これらの団体による10月の法令についての新たな声明を確認できませんでした。
影響と意味
この法令は、すでに議論されていた措置、特に14歳からの刑事責任の推定を、上院での時間のかかる法案審議を経ずに直ちに発効させるものです。支持者は、組織的な暴力に対して警察と裁判所により迅速な手段を与えると主張しています。批判者は、刑罰の強化はこれまで効果がなく、10代の若者を大人と同じように扱うおそれがあると主張しています。
今後の展開を左右するのは三つの点です。第一に、官報に掲載される条文によって、集団の人数基準など、メディアによって報道が異なる詳細が確定します。第二に、議会には法令を法律へ転換するか、修正するか、失効させるかを決める60日の期間があり、政府は両院で過半数を握っています。第三に、イル・ソーレ・24オーレによると、10月24日と30日に主要都市でさらなるデモが予定されており、新たな規則が初めて試されることになります。アルジャジーラが指摘したように、2027年に国政選挙を控え、物価の上昇と治安は今後も主要な政治課題であり続ける可能性が高いとみられます。
よくある質問
イタリア政府は2026年10月20日に何を承認したのですか?
閣議は、公共の安全と少年犯罪に関する緊急法令を承認しました。デモへの暴力的な参加という罪を新設し、14歳から18歳の未成年者を反証がない限り刑事責任能力があると推定し、損壊に関与した未成年者の親に罰金を科し、ミラノに兵士500人を増派する内容です。
ミラノの兵士は警察権限を持つのですか?
いいえ。500人の兵士に逮捕を含む司法警察の権限を与える草案の条項は削除されました。イタリアのメディアは、セルジョ・マッタレッラ大統領の事務局が懸念を示したことを受けた変更だと報じました。
法令はすでに法律になっているのですか?
緊急法令は直ちに発効しますが、議会が60日以内に法律へ転換しなければ失効します。議員はその過程で内容を修正できます。
野党はどのように反応していますか?
野党指導者はミラノでの暴力を非難しつつ、政府を批判しました。五つ星運動のジュゼッペ・コンテ党首は治安は政府の責任だと述べ、AVSのアンジェロ・ボネッリ氏とニコラ・フラトイアンニ氏は、政府の対応を失敗であり効果がないと評しました。
出典
- Al Jazeera: Italy approves sweeping security measures in response to protests(2026年10月21日、英語)
- Euronews: Italy deploys 500 troops to Milan under new security decree(2026年10月21日、英語)
- France 24 / AP: Italy announces new security measures after Milan riots(2026年10月20日、英語)
- ANSA:閣議が治安と少年犯罪に関する新法令を承認(2026年10月20日、イタリア語)
- Il Post:政府、週末の騒乱を受けて法令を承認(2026年10月20日、イタリア語)
- Adnkronos:デモ法令で何が変わるか(2026年10月21日、イタリア語)
- Infodifesa:新たな治安法令、措置と削除された規定(2026年10月21日、イタリア語)
- Il Sole 24 Ore: Meloni chairs summit on public order(2026年10月19日、英語)
- Il Fatto Quotidiano:治安措置をめぐるコンテ氏、フラトイアンニ氏、ボネッリ氏の発言(2026年10月20日、イタリア語)
- Il Fatto Quotidiano:軍への警察権限付与、法令から削除(2026年10月20日、イタリア語)
- ユニセフ・イタリア:未成年者の刑事責任に関する法案についての声明(イタリア語)
- Giornale Radio Sociale:少年司法関係団体が政府案に反対(2026年7月28日、イタリア語)