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アマゾン、年末商戦で30万人超を採用へ 3年ぶりの増加
アマゾンの米国での年末採用目標は、3年連続の25万人から30万人超に引き上げられました。季節雇用の平均時給は20ドルです。一方、小売業界全体の季節採用は横ばいか減少と予測されています。
要点
- アマゾンは2026年10月20日、今年の年末商戦期に米国のオペレーション網で季節雇用、パートタイム、フルタイムの職種に30万人超を採用する計画を発表しました。
- これは2023年、2024年、2025年にいずれも掲げた25万人の目標を少なくとも20%上回り、同社の年末採用としては3年ぶりの前年比増加となります。
- 同社の発表や当時の報道によると、季節雇用従業員の平均時給は20ドルで、2025年の「19ドル超」、2024年の保証最低時給18ドルから上昇しています。
- 2027年1月1日から、週30時間以上働く季節雇用従業員は勤務初日から医療保険の対象となります。
- アマゾンの動きは業界予測と対照的です。全米小売業協会(NRF)は季節採用全体をほぼ横ばいと予測し、チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスは小売業の第4四半期の雇用増が昨年の17年ぶりの低水準をさらに下回るとみています。
アマゾンの発表内容
アマゾンは10月20日(火)、企業ブログとプレスリリースでこの計画を公表しました。同社は、米国の「コアオペレーション」網、つまり顧客の注文品をピッキング、梱包、輸送する倉庫、仕分けセンター、配送ステーションで「30万人超」を採用するとしています。新たな求人は10月から12月まで毎週掲載される予定です。発表では、総数のうち季節雇用、パートタイム、フルタイムの内訳は示されませんでした。
賃金について、アマゾンは季節雇用従業員の平均時給を20ドルとしています。コアオペレーションのフルタイム従業員の初任時給は最低20ドルで、コアオペレーション全体の平均時給は「24ドル近く」、福利厚生を含むフルタイム従業員の平均総報酬は時給換算で32ドルを超えるとのことです。同社はまた、以前に発表した米国オペレーション部門の従業員向けの15億ドル超の賃上げにも言及しました。
最も注目される変更は福利厚生です。2027年1月1日から、週30時間以上働く季節雇用従業員は勤務初日から医療保険の対象となり、保険料は週5ドルから、自己負担額は5ドルです。同日時点で対象職種に在籍している年末採用者は、その時点で利用できるようになります。アマゾンはこのほか、Amazon.comとホールフーズ・マーケットでの食料品割引、2026年後半から順次提供されるファースト・テック連邦信用組合との低コストの銀行サービス、年間最大5,250ドルの学費支援制度「キャリア・チョイス」などの既存の福利厚生も挙げています。
アマゾンのグローバルオペレーション担当ピープル・エクスペリエンス・アンド・テクノロジー副社長、J・オフォリ・アグボカ氏は発表の中で「ホリデーシーズンはアマゾンで私が一年で最も好きな時期です」と述べています。
US News & World Reportが掲載したロイターの記事は、この計画をアマゾンの年末採用として3年ぶりの増加と伝えました。ブルームバーグは、全体として低調な季節雇用市場の中で際立つ、同社として最大規模の年末採用だと位置づけています。
2026年と2023~2025年の比較
アマゾンの年末採用目標は2022年の15万人から2023年には25万人に増え、当時の報道によると67%の増加でした。その後は3シーズン連続で25万人にとどまり、今年の引き上げに至りました。賃金の開示は年によって基準がそろっていないため、下の表では各年の数値を同社または当時の報道が示したとおりに掲載しています。
| 年末商戦期 | 発表日 | 採用目標(米国) | 公表された季節雇用の賃金 | その他の賃金・福利厚生の数値 |
|---|---|---|---|---|
| 2023年 | 2023年9月19日 | 25万人 | 勤務地により時給17~28ドル | 物流・輸送スタッフの平均時給20.50ドル超、賃金投資13億ドル、一部職種で1,000~3,000ドルの入社ボーナス |
| 2024年 | 2024年10月 | 25万人 | 時給18ドル以上 | 継続勤務する季節雇用スタッフは最初の3年間で平均15%の昇給の可能性 |
| 2025年 | 2025年10月14日 | 最大25万人 | 平均時給19ドル超 | 正規従業員の平均時給23ドル、賃金・福利厚生に10億ドル超を追加 |
| 2026年 | 2026年10月20日 | 30万人超 | 平均時給20ドル | コアオペレーションの平均時給24ドル近く、2027年1月1日から週30時間以上の季節雇用に初日から医療保険 |
出所:アマゾン(2026年プレスリリース)、フォーチュンおよびブルームバーグ(2023年)、シアトル・ビジネス・マガジン(2024年)、リテール・ダイブおよびCNN配信記事(2025年)。数値は同社の公表どおりで、インフレ調整はしていません。
慎重なシーズンの中での異例の拡大
アマゾンの計画は、小売業界全体の状況とは逆の方向を向いています。全米小売業協会(NRF)は10月15日、11~12月の小売売上高が4.2%増の約1兆130億ドルになるとの予測を発表しました。2025年は3.1%増の9,720億ドルでした。一方で、同協会は業界全体の季節採用を32万5,000人~37万5,000人と予測しており、昨年の推計35万6,000人とほぼ同水準です。NRFのチーフエコノミスト、マーク・マシューズ氏は労働市場を「採用も解雇も少ない」環境だと表現しています。
再就職支援会社のチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスは9月、2025年第4四半期に小売業者が増やした雇用は46万1,500人で、2008年以来の最小の季節的増加となり、2024年を15%下回ったと発表しました。同社は2026年の同期間について約45万人と予測しています。2025年の年末四半期の運輸・倉庫業の推計は26万6,500人で2018年以来の低水準であり、今年も同程度になるとみています。チャレンジャーの数値は季節調整前の政府雇用統計の純増減を測ったもので、個々の採用数ではないため、NRFの推計やアマゾンの目標とは直接比較できません。
アマゾンより前に人員計画を公表した大手雇用主はわずかでした。チャレンジャーによると、スピリット・ハロウィンは5万2,000人、マイケルズは1万人超の季節雇用を計画していますが、ターゲット、コールズ、大手宅配会社は2026年の数値をまだ公表していませんでした。
影響と意味
年末の需要にとって
企業は通常、処理すべき注文の増加を見込まない限り、数万人規模で人員を上積みすることはありません。目標の引き上げは、アマゾンが昨年より多い取扱量を見込んでいること、そして消費者の支出が続くとするNRFの予測と整合的です。また、年末の消費が店舗からオンラインへと移り続けていることも反映しています。チャレンジャーが引用したインディードのデータによると、季節雇用の求人に占める倉庫職の割合は2019年の3.5%から今年は9%近くに上昇した一方、店舗での接客職は約67%から61%強に低下しました。ただし、アマゾンは需要予測を示しておらず、採用目標はあくまで採用の上限であり、繁忙期に実際に何人が雇用されるかを保証するものではありません。
倉庫の自動化にとって
今回の増加は、アマゾンがロボティクスに多額の投資を行っている中でのものです。テッククランチによると、同社は2025年半ばに倉庫ロボットの導入台数が100万台に達したと発表し、あわせてロボット群の移動速度を10%向上させるとするAIモデル「DeepFleet」を公表しました。アンディ・チャレンジャー氏は9月、「AI、ロボティクス、自動化が倉庫業の繁忙期の労働構成を変え続けている」と述べています。アマゾンの発表は、少なくとも今回の繁忙期においては、自動化が季節労働を置き換えるのではなく補完していることを示唆しています。増加分のうち、新施設、取扱量の増加、フルタイムと臨時職の比率の変化がそれぞれどの程度寄与しているかは、アマゾンが内訳を公表していないため、まだわかっていません。
米国の労働市場にとって
採用全体が低調な中、平均時給20ドルに加えて早期の医療保険加入を提供する大手雇用主は、同じ人材を奪い合う他の小売業者や物流会社から応募者を引き寄せる可能性があります。週30時間以上働く季節雇用スタッフに勤務初日からの医療保険を広げることは、臨時労働者が保険適用まで数カ月待つことも多い業界において意味のある変化です。ただし、この制度が始まるのは1月であるため、今年の繁忙期の大半は現行のルールのもとで働くことになります。競合他社がより高い賃金や手厚い福利厚生で対抗するかどうかは、今後数週間で各社が年末の計画を公表するにつれて明らかになるでしょう。
よくある質問
アマゾンは2026年の年末商戦で何人を採用しますか?
アマゾンは2026年10月20日、米国のオペレーション網で季節雇用、パートタイム、フルタイムの職種に30万人超を採用する計画を発表しました。新たな求人は10月から12月まで毎週掲載されます。
過去の年と比べるとどうですか?
アマゾンは2022年の15万人に続き、2023年、2024年、2025年はいずれも25万人の年末採用目標を掲げていました。2026年の目標は少なくとも20%多く、3年ぶりの前年比増加となります。
アマゾンの季節雇用の時給はいくらですか?
アマゾンによると、2026年の季節雇用従業員の平均時給は20ドルです。2025年は平均19ドル超、2024年は季節雇用スタッフの最低時給を18ドルとしていました。
アマゾンの季節雇用従業員は医療保険を受けられますか?
2027年1月1日から、週30時間以上働く季節雇用従業員は勤務初日から医療保険の対象となり、保険料は週5ドルからです。同日時点で対象職種に在籍している年末採用者は、その時点で利用できるようになります。
小売業界全体でも今年は採用が増えていますか?
全体としては増えていません。全米小売業協会(NRF)は業界全体の季節採用を32万5,000人~37万5,000人とほぼ横ばいと予測しており、チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスは第4四半期の小売業の雇用増が2008年以来の低水準だった2025年をやや下回るとみています。
出典
- Amazon Press Center: Amazon creates over 300,000 new US jobs this holiday season with increased pay and expanded benefits(2026年10月20日)
- About Amazon: Amazon is creating over 300,000 new US jobs this holiday season
- Reuters via US News & World Report: Amazon to recruit over 300,000 workers for holiday season in first hiring jump in three years(2026年10月20日)
- Bloomberg: Amazon plans biggest holiday hiring push as retail job market slows(2026年10月20日)
- National Retail Federation: NRF forecasts 2026 holiday sales growth as consumers remain resilient(2026年10月15日)
- Challenger, Gray & Christmas: 2026 holiday hiring outlook(2026年9月)
- Retail Dive: Amazon to hire 250K holiday workers(2025年10月17日)
- CNN via Hawaii News Now: Amazon is hiring 250,000 people for the holiday season(2025年10月14日)
- Seattle Business Magazine: Amazon to hire 250,000 seasonal workers(2024年10月)
- Fortune: Amazon to hire 250,000 workers and raise hourly pay(2023年9月19日)
- TechCrunch: Amazon deploys its one millionth robot, releases generative AI model(2025年7月1日)